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デューデリジェンス
デューデリジェンスの費用相場はいくら?種類別の料金・内訳・見積もりの注意点を解説

M&Aを検討する際、「デューデリジェンスにはいくらかかるのか」「見積もりの金額は妥当なのか」と疑問を持つ企業は少なくありません。
デューデリジェンスの費用は、対象会社の規模や調査範囲によって大きく異なります。そのため、相場だけでなく、見積もりに含まれる調査内容を確認することが重要です。
この記事では、デューデリジェンスの費用相場を種類別に紹介するとともに、費用を左右する要因、見積もりの内訳、追加費用を防ぐための確認ポイントを解説します。
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- デューデリジェンスの費用相場はいくら?
- 中小企業のM&Aでは100万〜500万円程度が目安
- 買収金額や企業規模によって費用は大きく変わる
- M&Aが不成立に終わっても費用は発生する
- 【種類別】デューデリジェンスの費用相場
- 財務デューデリジェンスの費用
- 法務デューデリジェンスの費用
- 税務デューデリジェンスの費用
- ビジネスデューデリジェンスの費用
- 人事・労務デューデリジェンスの費用
- ITデューデリジェンスの費用
- デューデリジェンスの費用を左右する要因
- 対象会社の規模や拠点数
- 調査する分野と範囲
- 資料の量と整理状況
- 調査期間とスケジュール
- 依頼する専門家と調査チームの人数
- 報告書に求める詳細度
- デューデリジェンス費用の主な内訳
- 弁護士・公認会計士・税理士などの報酬
- 資料整理やデータルームの利用費用
- 現地調査にかかる交通費・宿泊費
- 追加調査や調査範囲の変更に伴う費用
- デューデリジェンスの費用は誰が支払う?
- 原則として買い手側が負担する
- 売り手側にも資料準備などの費用が発生する
- 仲介手数料やFA報酬とは別に必要になる
- デューデリジェンスの見積もりで確認すべきポイント
- 調査対象となる会社・期間・分野
- 見積金額に含まれる作業内容
- 追加料金が発生する条件
- 報告書と報告会の有無
- 問題が見つかった場合の追加対応
- デューデリジェンス費用を抑える方法
- 予算内で優先順位をつけて段階的に調査する
- 社内資料を事前に整理しておく
- 複数の調査をまとめて依頼する
- 安さだけで依頼先を選ばない
- デューデリジェンス費用の会計・税務上の扱い
- 費用処理できるかはM&Aの方法によって異なる
- 合併に伴う費用が損金処理されるケース
- 株式取得では取得価額に含まれる場合がある
- 実際の処理は税理士・会計士に確認する
- 資料だけでは確認できないリスクには追加調査を検討する
- まとめ
デューデリジェンスの費用相場はいくら?
中小企業のM&Aでは100万〜500万円程度が目安
中小企業のM&Aで行われるデューデリジェンスの費用は、全体で100万〜500万円程度が一つの目安です。
ただし、この金額は財務・法務・税務など、複数の調査を外部の専門家に依頼した場合の概算です。財務デューデリジェンスだけを簡易的に実施する場合と、法務、税務、人事、ITまで詳しく調べる場合とでは、必要な費用が大きく異なります。
公開されている費用目安では、小規模企業で50万〜300万円、中規模企業で200万〜1,000万円、大規模企業では1,000万円以上になるケースも示されています。あくまで参考値ですが、企業規模が大きくなるほど資料や契約、拠点、従業員などの確認対象が増えるため、費用も高くなる傾向があります。
デューデリジェンスの費用を検討するときは、「会社の売上規模」だけで判断するのではなく、どの分野をどこまで調べるのかを確認することが重要です。
買収金額や企業規模によって費用は大きく変わる
デューデリジェンスの費用は、買収金額に一定の割合を掛けて決まるものではありません。
一般的には、専門家の人数、作業時間、調査範囲などをもとに見積もられます。そのため、買収金額が同じでも、対象会社の事業内容や資料の状況によって費用が変わります。
例えば、単一事業を一つの拠点で行っている会社と、複数の子会社や海外拠点を持つ会社では、必要な調査量が異なります。また、契約書や会計資料が整理されていない場合は、情報を確認するための作業時間が増え、費用が高くなることがあります。
買収金額に対して調査費用が高すぎると、M&Aによって得られる利益を圧迫します。一方で、調査を省略しすぎると、買収後に簿外債務や契約上の問題が発覚する可能性があります。買収金額だけでなく、問題が発覚した場合の損失や取引への影響も踏まえて、調査範囲を決めることが重要です。
M&Aが不成立に終わっても費用は発生する
デューデリジェンスの費用は、M&Aの成約報酬ではありません。
専門家が資料の確認や分析、関係者へのヒアリング、報告書の作成などを行ったことに対して支払う費用です。そのため、調査結果を受けて買収を中止した場合でも、原則として費用は発生します。
むしろ、重大なリスクを発見し、条件の悪いM&Aから撤退できたのであれば、デューデリジェンスが役割を果たしたといえます。
M&Aが不成立になった場合に費用が返金されるとは限らないため、契約前に料金体系や業務の終了条件を確認しておきましょう。
【種類別】デューデリジェンスの費用相場
デューデリジェンスには複数の種類があり、調査内容によって依頼する専門家や費用が異なります。
主な費用相場は、次のとおりです。
種類 | 主な調査内容 | 主な依頼先 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
財務 | 財務状況、収益力、簿外債務 | 公認会計士、会計事務所 | 50万〜数百万円 |
法務 | 契約、訴訟、許認可、知的財産 | 弁護士 | 50万〜数百万円 |
税務 | 申告内容、税務リスク、過去の処理 | 税理士 | 数十万〜数百万円 |
ビジネス | 市場性、競争力、事業計画 | コンサルティング会社など | 100万〜数千万円 |
人事・労務 | 雇用契約、人件費、労務問題 | 社会保険労務士、コンサルタントなど | 数十万〜数百万円 |
IT | システム、セキュリティ、統合費用 | ITコンサルタントなど | 数十万〜数百万円 |
上記は一般的な目安です。同じ種類のデューデリジェンスでも、調査期間や対象資料、報告書の内容によって金額は変わります。
関連記事:デューデリジェンスとは?M&Aで行う目的・種類・流れ・注意点を解説
財務デューデリジェンスの費用
財務デューデリジェンスの費用は、50万〜数百万円程度が目安です。
対象期間、取引数、勘定科目、拠点や子会社の数によって、必要な作業量が変わります。過去数年分の取引を詳しく確認する場合や、複数の子会社を調査対象に含める場合は、費用が高くなる傾向があります。
また、買収価格を算定する企業価値評価は、財務デューデリジェンスとは別業務として料金が発生することがあります。
関連記事:財務デューデリジェンスとは?調査項目・進め方・費用をわかりやすく解説
法務デューデリジェンスの費用
法務デューデリジェンスの費用は、50万〜数百万円程度が目安です。
契約書の数、株主構成、許認可の種類、訴訟・紛争の有無などによって費用が変わります。海外企業との契約や複雑な資本関係がある場合は、追加の確認や現地の専門家への依頼が必要となり、費用が高くなることがあります。
関連記事:法務デューデリジェンスとは?調査項目・進め方・問題発覚時の対応を解説
税務デューデリジェンスの費用
税務デューデリジェンスの費用は、数十万〜数百万円程度が目安です。
確認する事業年度、税目、グループ会社間取引の有無、過去の税務調査や組織再編の状況などによって費用が変わります。
財務デューデリジェンスと確認資料が重なることも多いため、同じ会計事務所や専門家チームにまとめて依頼することで、作業の重複を減らせる場合があります。
関連記事:税務デューデリジェンスとは?調査項目・財務DDとの違い・実施の流れを解説
ビジネスデューデリジェンスの費用
ビジネスデューデリジェンスの費用は、100万〜数千万円程度まで幅があります。
既存資料の分析だけでなく、市場調査、競合分析、顧客インタビューなどを行う場合は、調査工数が増えます。複数の国や市場を対象とする案件では、現地の業界専門家を起用することもあり、費用が高額になりやすい傾向があります。
社内に業界知識を持つ担当者がいる場合は、一部の分析を自社で行い、外部への依頼範囲を限定する方法もあります。
関連記事:ビジネスデューデリジェンスとは?調査項目・進め方・分析方法を解説
人事・労務デューデリジェンスの費用
人事・労務デューデリジェンスの費用は、数十万〜数百万円程度が目安です。
従業員数、雇用区分、給与・退職金制度、拠点数などによって、確認する資料と作業量が変わります。従業員ごとの労働時間や未払い賃金の可能性を詳しく確認する場合や、M&A後の人事制度統合まで検討する場合は、費用が高くなることがあります。
関連記事:労務デューデリジェンスとは?IPO・M&Aでの調査項目や進め方を解説
ITデューデリジェンスの費用
ITデューデリジェンスの費用は、数十万〜数百万円程度が目安です。
システムの数、構成の複雑さ、拠点数、外部サービスとの連携状況などによって費用が変わります。ソースコードやセキュリティの詳細な確認、買い手側とのシステム統合費用の試算まで行う場合は、別途費用が発生することがあります。
関連記事:ITデューデリジェンスとは?調査項目・進め方・M&Aで確認すべきリスクを解説
デューデリジェンスの費用を左右する要因
対象会社の規模や拠点数
対象会社の売上、従業員数、取引数、拠点数が増えるほど、調査する情報も増えます。
特に、子会社や関連会社が複数ある場合は、どの会社を調査対象に含めるかによって費用が大きく変わります。
国内だけでなく海外にも拠点がある場合は、現地法令への対応や資料の翻訳、現地専門家への依頼が必要になることもあります。
調査する分野と範囲
財務だけを調べる場合と、財務・法務・税務・人事・ITをまとめて調べる場合では、必要な専門家と作業時間が異なります。
また、同じ財務デューデリジェンスでも、過去1年分だけを確認するのか、過去3年分から5年分を確認するのかによって費用が変わります。
調査範囲を決める際は、対象会社の業種やM&Aの目的から、特に影響が大きいリスクを見極める必要があります。
資料の量と整理状況
必要な資料が整理されていない場合、調査担当者が資料を探したり、売り手に追加提出を依頼したりする時間が増えます。
資料同士の数値が一致していない場合や、契約書が欠けている場合も、確認作業が増える原因になります。
売り手側が資料を早い段階で整理し、質問への回答体制を整えておくことで、調査を効率的に進めやすくなります。
調査期間とスケジュール
通常より短い期間で調査を終える必要がある場合は、担当者を増員したり、休日や夜間に作業したりする可能性があります。
その結果、通常の案件より費用が高くなることがあります。
一方、調査期間が長すぎる場合も、専門家の稼働時間やデータルームの利用期間が増え、費用が膨らむ可能性があります。
依頼する専門家と調査チームの人数
デューデリジェンスは、公認会計士、弁護士、税理士、社会保険労務士、コンサルタントなどが分野ごとに担当します。
大手の監査法人や法律事務所に依頼する場合と、中小規模の事務所に依頼する場合では、報酬の水準が異なることがあります。
また、経験豊富なパートナーや責任者がどの程度作業に関与するのか、担当者を何人配置するのかによっても見積金額が変わります。
報告書に求める詳細度
調査結果を簡潔にまとめたレッドフラッグレポートと、確認した資料やリスク、対応案を詳しく記載するフルレポートでは、作成に必要な時間が異なります。
経営陣向けの報告会や、最終契約書への反映に関する助言まで依頼する場合は、その作業が見積もりに含まれているか確認しましょう。
デューデリジェンス費用の主な内訳
弁護士・公認会計士・税理士などの報酬
デューデリジェンス費用の中心となるのは、専門家の報酬です。
報酬は、作業時間に時間単価を掛けるタイムチャージ方式や、あらかじめ業務範囲と総額を決める固定報酬方式などで計算されます。
固定報酬であっても、当初の想定を超える資料や問題が見つかった場合には、追加費用が発生することがあります。
見積もりを受け取ったら、総額だけでなく、担当者の構成、想定作業時間、調査対象を確認することが重要です。
資料整理やデータルームの利用費用
M&Aでは、財務資料や契約書を安全に共有するため、VDRと呼ばれるバーチャルデータルームを利用することがあります。
利用料金は、利用期間、保存容量、利用者数などによって決まります。
また、売り手側では、紙の資料を電子化したり、資料を収集・整理したりするための社内工数が発生します。外部業者に資料整理を依頼する場合は、別途費用が必要です。
現地調査にかかる交通費・宿泊費
対象会社の本社、工場、店舗などを訪問する場合は、交通費や宿泊費がかかります。
特に、全国に拠点がある会社や海外拠点を持つ会社では、現地確認にかかる費用が大きくなることがあります。
見積金額に交通費などの実費が含まれているのか、後日別途請求されるのかを確認しておきましょう。
追加調査や調査範囲の変更に伴う費用
調査を進める中で問題が見つかると、当初予定していなかった追加調査が必要になることがあります。
例えば、会計資料に不自然な取引が見つかった場合は、対象期間を広げたり、取引先との関係を確認したりする可能性があります。
追加費用を完全に防ぐことは困難ですが、どのような場合に追加料金が発生するのか、依頼者の承認を得てから作業を始めるのかを契約前に確認できます。
デューデリジェンスの費用は誰が支払う?
原則として買い手側が負担する
デューデリジェンスは、買い手が買収の可否や条件を判断するために行う調査です。
そのため、公認会計士や弁護士などに支払うデューデリジェンス費用は、原則として買い手側が負担します。
複数の買い手候補がいる場合でも、それぞれの買い手が自ら依頼した専門家の費用を負担するのが一般的です。
売り手側にも資料準備などの費用が発生する
専門家への調査費用は買い手が負担しますが、売り手側に費用が一切かからないわけではありません。
売り手側には、次のような費用や負担が生じることがあります。
資料の収集・整理
VDRへの資料登録
質問への回答
売り手側の弁護士・税理士への相談
不足している規程や契約書の整備
デューデリジェンスへの対応には、経営者や管理部門の時間も必要です。売り手側は、通常業務への影響も考慮して準備を進める必要があります。
仲介手数料やFA報酬とは別に必要になる
デューデリジェンス費用は、M&A仲介会社やFAに支払う手数料とは別に発生するのが一般的です。
また、企業価値評価、契約書の作成、PMI支援なども、デューデリジェンスの見積もりには含まれていない場合があります。
見積もりを確認するときは、M&Aに必要な費用全体のうち、どこまでが含まれているのかを整理しましょう。
デューデリジェンスの見積もりで確認すべきポイント
調査対象となる会社・期間・分野
まず確認したいのが、見積もりの前提となっている調査範囲です。
対象会社本体だけなのか、子会社や関連会社も含むのか、何年分の資料を確認するのかを明確にします。
「財務デューデリジェンス一式」と書かれているだけでは、具体的に何を調査するのか分かりません。対象期間や調査項目を確認しましょう。
見積金額に含まれる作業内容
同じ金額でも、含まれている作業内容は依頼先によって異なります。
例えば、次の作業が含まれているか確認します。
資料のレビュー
経営者や担当者へのインタビュー
質問事項の作成
追加資料の確認
報告書の作成
経営陣への報告会
最終契約への反映に関する助言
複数社の見積もりを比較するときは、金額だけでなく業務範囲をそろえて比較することが重要です。
追加料金が発生する条件
調査対象の追加、対象期間の延長、資料の大幅な増加などによって追加料金が発生する場合があります。
追加作業の単価や承認方法を事前に決めておけば、知らないうちに費用が膨らむ事態を防ぎやすくなります。
「追加費用が発生する可能性がある」という説明だけでなく、どのような状況が追加作業に該当するのか確認しましょう。
報告書と報告会の有無
見積もりに報告書の作成が含まれているかも重要です。
調査結果の口頭説明だけなのか、重要な問題をまとめた簡易報告書なのか、詳細な分析や対応案を含む報告書なのかによって、成果物の内容が異なります。
社内の稟議や金融機関への説明に使用する場合は、必要な報告書の形式を事前に伝えておく必要があります。
問題が見つかった場合の追加対応
デューデリジェンスで問題が見つかった後には、買収価格の見直し、契約条件の変更、追加調査などが必要になることがあります。
ただし、これらの対応が当初の料金に含まれているとは限りません。
調査結果を報告して終了するのか、最終契約の締結まで支援するのかを確認しておきましょう。
デューデリジェンス費用を抑える方法
予算内で優先順位をつけて段階的に調査する
予算が限られている場合は、想定されるリスクと買収判断への影響を踏まえて、調査費用の配分を決めます。
初期段階では重要な問題の有無を確認する簡易調査を行い、その結果に応じて追加費用をかけて調査範囲を広げる方法もあります。例えば、最初に財務・法務上の重大な問題を確認し、取引を継続すると判断した段階で、税務・人事・ITなどの調査を追加します。
ただし、簡易調査では確認できない問題もあります。対象外とする項目と、その項目を調査しないことで生じるリスクを整理したうえで、予算を配分することが重要です。
社内資料を事前に整理しておく
資料の不足や整理不足は、調査期間が長引く大きな原因です。
売り手側は、想定される資料を早めに集め、契約書や会計資料を分野別・年度別に整理しておくと、専門家が効率的に確認できます。
買い手側も、調査目的や懸念事項を事前に共有することで、不要な確認作業を減らせます。
複数の調査をまとめて依頼する
財務と税務、人事と労務など、関連する調査を同じ専門家チームに依頼することで、資料の確認やヒアリングの重複を減らせる場合があります。
ただし、まとめて依頼すれば必ず安くなるわけではありません。
各分野に必要な専門性が確保されているか、担当者の経験や実績も確認しましょう。
安さだけで依頼先を選ばない
見積金額が安くても、必要な調査が含まれていなければ、十分なリスク確認ができません。
また、問題を指摘するだけでなく、その問題が買収価格や契約条件にどのような影響を与えるかまで整理できる専門家が望ましいといえます。
料金だけでなく、対象業界での実績、担当者の経験、報告書の内容、対応範囲を比較して依頼先を選びましょう。調査費用だけを抑えるのではなく、調査を省略した場合に発生し得る損失も踏まえて、必要な範囲を判断することが重要です。
デューデリジェンス費用の会計・税務上の扱い
費用処理できるかはM&Aの方法によって異なる
デューデリジェンス費用の会計・税務処理は、すべてのM&Aで同じではありません。
合併、株式取得、事業譲渡など、採用するスキームによって取り扱いが変わる可能性があります。また、同じ費用でも、財務会計上の処理と法人税法上の処理が一致するとは限りません。
企業会計上、外部アドバイザーなどに支払った取得関連費用は、原則として発生した事業年度の費用として処理されます。
ただし、個別財務諸表における株式の取得原価や税務上の取り扱いについては、別途確認が必要です。
合併に伴う費用が損金処理されるケース
国税庁の質疑応答事例では、合併に伴って実施したデューデリジェンスの費用について、一時の損金として処理することになると示されています。
また、その合併が適格合併に該当するかどうかによって、取り扱いは変わらないとされています。
ただし、この事例は合併に伴う費用についての回答です。すべてのM&Aにそのまま当てはめられるわけではありません。
株式取得では取得価額に含まれる場合がある
株式取得に関連して支出したデューデリジェンス費用は、支出の目的や取引との関係によって、税務上、株式の取得価額に算入する必要がある場合があります。
そのため、「デューデリジェンス費用はすべて支払った年度の経費になる」と判断するのは適切ではありません。
実際の処理は税理士・会計士に確認する
デューデリジェンス費用には、調査費用だけでなく、企業価値評価、契約交渉、仲介、資金調達など、複数の業務に関する報酬が含まれることがあります。
同じ専門家に一括で支払った場合でも、業務内容によって処理が異なる可能性があります。
請求書や契約書で業務内容を区分したうえで、公認会計士や税理士に確認しましょう。
資料だけでは確認できないリスクには追加調査を検討する
一般的なデューデリジェンスでは、売り手から開示された財務資料、契約書、社内規程などを中心に確認します。そのため、経営者や役員の評判、反社会的勢力や不正との関係、主要取引先との実際の関係、所在地の事業実態などは十分に確認できないことがあります。
これらの情報が買収判断に大きく影響する場合は、通常の財務・法務デューデリジェンスとは別に、外部情報を使った調査を検討します。ただし、業界内の評判や風評には主観や誤情報も含まれるため、複数の情報を照合し、事実と評価を区別することが重要です。
関連記事:M&Aで必要な調査とは?デューデリジェンスだけでは見えない企業リスクの調べ方
まとめ
デューデリジェンスの費用は、中小企業のM&Aで100万〜500万円程度が一つの目安です。ただし、実際の金額は、対象会社の規模、調査分野、対象期間、資料量、依頼する専門家などによって変わります。
見積もりを比較するときは、総額だけでなく、調査対象、作業内容、成果物、追加料金の条件を確認しましょう。費用を抑える場合も、安さだけを優先せず、取引への影響が大きいリスクから段階的に調査することが重要です。
経営者の評判、事業実態、反社・不正リスクなど、開示資料だけでは確認しにくい問題に懸念がある場合は、通常のデューデリジェンスに加えて外部調査を検討する必要があります。
エスプレッソ情報調査室では、M&Aに伴う企業実態の確認や、経営者・主要人物、取引先、反社・不正リスクなど、通常のデューデリジェンスだけでは把握しにくい情報の調査を行っています。資料外のリスクまで確認したい場合は、お気軽にご相談ください。
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